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Webマーケティング

2026.1.29SEOを狙わなくても評価される会社のホームページとは|検索順位よりも「判断」を資産にする

 

実務で積み重ねた「判断材料」こそが、これからのSEOであり、AIO対策です。

 

SEOを狙わなくても評価される会社のホームページと、検索順位より判断を資産にするという主張を示すビジュアル

 

「SEO対策をお願いします」という依頼を、私たちはお断りすることがあります。

 

Webコンサルタントとして300社以上の支援に携わってきた中で、「SEO対策をしてほしい」という依頼ほど、慎重に向き合うものはありません。なぜなら、その言葉の背景には、過去にSEO会社と名乗る業者に裏切られた記憶が高い確率で存在するからです。

 

中身のない記事を毎月5本、10本と量産され、費用だけがかさんでいく。検索順位は一時的に上がっても、問い合わせにはつながらない。そして、Googleのアップデートが来るたびに順位が乱高下し、経営者は振り回される。

 

もしあなたがそんな経験をお持ちなら、それはあなたの会社に問題があったわけではありません。その「SEO」という手法そのものが、時代遅れになっていただけです。

検索エンジンが「見ている」ものは、10年前とはまったく違う

 

かつてのSEOは、キーワードを適切に配置し、被リンクを集めれば上位表示される時代でした。しかし、2023年以降、Googleは評価基準を大きく転換しています。

 

Google公式が提唱するE-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)において、2023年から「Experience(経験)」が新たに追加されました。これは、実際に経験した人でなければ書けない情報を重視するという明確なメッセージです。

 

つまり、誰でも書ける「まとめ記事」や、どこかから引っ張ってきた二次情報では、もはや評価されない。検索エンジンは「キーワードの羅列」ではなく、「コンテンツ全体の意味」を正確に理解するようになっています。

 

さらに大きな変化が、AI検索の台頭です。

 

AI時代、検索の主役は「正解」ではなく「信頼できる出典」へ

 

GoogleのAI Overviews(旧SGE)をご存知でしょうか。

 

検索結果の最上部にAIが要約を表示する機能で、表示率は急速に拡大しています。ナイル株式会社の調査によれば、Knowクエリ(情報収集型の検索)を中心に表示率が大幅に増加しており、2025年時点で米国では15〜60%程度、日本語圏でも10〜25%前後で推移しています。特定のクエリでは、まずAIの回答が目に入るケースが急増しているのです。

 

この変化が意味するのは、「検索1位」の価値の捉え直しです。

 

AIは、複数のWebサイトから情報を収集し、要約して表示します。そのとき、AIが参照元として選ぶのは、「SEO対策が上手いサイト」ではありません。「信頼できる一次情報を持っているサイト」です。

 

Googleも、AIも、探しているのは「対策」ではなく「一次情報の純度」。

 

私たちの支援現場で確信していることがあります。それは、小手先のSEOテクニックに投資するよりも、自社の実務情報を正しく整理してWebに置くことのほうが、長期的に圧倒的な効果を生むということです。

 

なぜ「SEOを狙う」ほど、評価されなくなるのか

 

一見、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、現場を見ているとこれは真実です。

 

SEOのために記事を書くと、検索ボリュームの高いキーワードを狙い、競合と似たような構成で、似たような内容を書くことになります。その結果、インターネット上には同じような記事が大量生産されます。

 

Googleはこれらを「ヘルプフルコンテンツ」の観点から低く評価します。AIはすでにある情報の焼き直しを参照元に選びません。

 

一方、顧客への説明のために情報を整理している会社はどうでしょうか。営業の現場で毎日答えている質問。見積もり段階で必ず説明する判断基準。施工後に必ず確認してもらう注意事項。これらは、その会社でしか持っていない「一次情報」です。

 

こうした実務の蓄積は、結果として「ニッチだけれど確実に検索されるキーワード」で上位表示されます。そして、AIが参照元として選ぶ信頼できる出典になるのです。

 

 

評価されるサイトに共通する、たった一つの条件

 

私たちはこれまでの支援を通じて、Webで成果を出している企業に共通点を見出しました。

 

それは、ホームページに「判断材料」が置かれているかどうかです。

 

ここでいう「判断材料」とは、綺麗な売り文句ではありません。顧客が「この会社に頼んで大丈夫か」を判断するための、具体的な情報です。

 

たとえば、以下のような情報です。

 

  • 「この工法を選ぶべきケース」と「選ぶべきでないケース」の明示
  • 見積もりの内訳と、なぜその金額になるのかの説明
  • 過去の失敗事例と、そこから学んだ改善点
  • 業界の一般論と、自社の見解の違い

 

Googleも、顧客も、「失敗したくない」という心理は同じです。だからこそ、検索エンジンは「判断材料が豊富なサイト」を高く評価し、AIは「専門家の見解が明確なサイト」を参照元に選ぶのです。

 

ホームページは集客装置ではなく、顧客の迷いを消す「判断装置」である。

 

この視点に立ったとき、Webサイトに置くべき情報の優先順位は自然と決まります。

 

 

「育てるWeb」という考え方 — 実務がそのまま資産になる

 

「でも、記事を書く時間がない」「何を書けばいいかわからない」

 

経営者からよく聞く声です。しかし、わざわざ「記事を書こう」としなくていいのです。

 

日々の営業活動の中で、顧客に説明していることをそのまま文字にする。見積もりの際に必ず伝えている判断基準を整理する。施工事例を写真とともに記録する。これだけで十分です。

 

技術的なSEO、つまりGoogleに正しく認識させるための設計は、制作会社が裏側でやるべき仕事で、経営者や現場の担当者がやるべきことは、本業を語ることだけ。

 

私たちの支援方針『育てる4.5』は、この考え方に基づいています。月1回のオンラインミーティングで、その月に対応した案件や質問をヒアリングし、それを顧客が検索しそうなQ&Aとして整理・公開する。

 

これを1年続けると、50〜100件のQ&Aが蓄積されます。これは、SEO会社が量産する「誰でも書ける記事」とは、まったく異質のコンテンツ資産です。

 

 

狙わずに評価された企業の共通点

 

実際に、私たちが支援した企業の事例をご紹介します。

 

事例1:売り込みをやめ、顧客の悩みに回答し続けた結果、検索上位へ

 

株式会社リライアブル・コンサルティング様は、大分県の生命保険代理店です。

 

保険業界特有の「売り込み」を一切行わず、『女性の為のマネー相談室』というWebサイトを構築。「保険を売る」のではなく、日々の接客で直面する「お金の悩み」への回答をコラムとして積み上げました。

 

その結果、【女性 お金相談】などのビッグワードで全国上位表示を達成。SEOを狙ってキーワードを埋め込んだのではなく、顧客の不安に寄り添う記事を書き続けた結果、質の高い相談が自然と集まる「インバウンド型」の集客を実現しています。

 

事例2:ニッチな専門情報を「営業マン」の代わりにWebへ配置

 

株式会社ミカサ様は、水を使わない「バイオトイレ」を製造するメーカーです。

 

特殊な製品であるため、全国の現場へ営業に行くのは非効率でした。そこで、導入事例やお客様の声、専門的な課題解決型のコラムをWebサイトへ公開。営業マンが説明すべきことをすべてWebに語らせました。

 

結果として、【バイオトイレ】という単体キーワードで長期間検索1位~3位を維持。月平均29件ものリードを獲得し、新規開拓の専任営業マンを置かずに事業を拡大させています。

 

共通点:「SEOのために」ではなく「顧客への説明のために」情報を置いた

 

両社に共通しているのは、「検索順位を上げよう」というモチベーションで動いていないことです。「顧客に正しく理解してもらうために」情報を整理した結果、検索エンジンにもAIにも評価された。

 

これこそが、小手先のテクニックではない、これからのWebマーケティングの本質です。

 

 

「実務情報を置くだけ」で本当にSEO効果があるのか?

 

この疑問は当然です。

 

しかし答えは、「ある」です。ただし、条件があります。

 

その条件とは、「Webの文法」に則って情報を整理することです。

 

いくら価値のある情報でも、PDFで埋もれていたり、専門用語だらけで読みにくかったり、スマートフォンで見づらかったりすれば、検索エンジンは正しく評価できません。

 

さらに2026年現在、AIに選ばれるためには、構造化データ(Schemaマークアップ)の活用が効果を発揮しています。FAQやHow-toの構造化データを適切に実装することで、AI Overviewの引用率が向上するケースが増えています。

 

また、施工事例の写真には必ず説明テキストを添える、動画には概要文を用意するといったマルチモーダル対応も、AIが情報を正確に理解するための重要な要素になっています。

 

実務の価値をWebの文法に翻訳する。これが、私たちWeb制作会社の本来の役割です。

 

キーワードの詰め込みや、被リンクの購入といった対策ではありません。貴社の強みを、検索エンジンとAIが正しく理解できる形に整える。それが『育てるWeb』の設計思想です。

 

 

この方法が向かないケースもある

 

公平を期すために、この手法の限界もお伝えします。

 

●即効性を求める場合には向きません。

実務情報の蓄積は、半年〜1年のスパンで成果が出てくる施策です。「来月までに問い合わせを3倍にしたい」という要望には、広告運用など別の手法が適しています。

 

●コモディティ商材には向きません。

「他社と同じ商品を、他社と同じ価格で売っている」場合、実務情報で差別化することは難しいでしょう。この場合は、価格競争か、商品・サービス自体の差別化が先です。

 

●社内に語るべき実務がない場合には向きません。

「実務情報を整理する」ためには、そもそも「語るべき実務」が必要です。創業間もない企業や、実績がまだ少ない企業は、まず実務の蓄積から始める必要があります。

 

ただし、従業員10名以上、業歴5年以上のBtoB企業であれば、必ず語るべき実務があります。問題は、それが言語化されていないだけです。

 

 

もう、アルゴリズムに振り回されない経営を

 

ここまでお読みいただいた方には、一つの真実が見えてきたのではないでしょうか。

 

「SEO対策」という言葉自体が、すでに古いのです。

 

これからのWeb運営は、「対策」から「翻訳」へ。

 

貴社の実務で培われた知見を、Webの文法に翻訳する。それだけで、検索エンジンにもAIにも、そして何より顧客にも、正しく価値が伝わるサイトになります。

 

アルゴリズムが変わるたびに一喜一憂する必要はありません。顧客に誠実に向き合い、実務で培った「判断材料」を正直に公開する。それが最も堅実で、最も持続可能なSEOです。

 

 

まとめ:これからのホームページに必要なたった一つのこと

 

本記事の要点を整理します。

 

  1. キーワードを狙うSEOは終焉を迎えている。
    GoogleのE-E-A-T強化とAI Overviewの急速な普及により、「一次情報の純度」が評価基準の中心になった。

  2. 評価されるサイトの条件は「判断材料」があるかどうか。
    顧客が「この会社に頼んで大丈夫か」を判断できる具体的な情報が、検索エンジンにもAIにも選ばれる。

  3. わざわざ記事を書かなくていい。
    日々の顧客への説明、見積もりの判断基準、施工事例——これらを整理するだけで、他社にはないコンテンツ資産になる。

  4. 技術的なSEOは制作会社の仕事、経営者は本業を語るだけでいい。
    実務の価値をWebの文法に翻訳するのがプロの役割。

 

明日からできる最初の一歩は、「今週、顧客から受けた質問」を一つだけメモしておくことです。その質問と回答が、貴社だけの「判断材料」になります。

 

よくある質問と回答

 

SEOを完全に無視しても大丈夫ですか?

いいえ、無視するのではなく意識しすぎないことが大切です。基本的なSEO設計(タイトルタグの最適化、見出し構造の整備、ページ速度の改善など)は、制作会社が行うべき基礎工事です。経営者が意識すべきは、「何を伝えるか」であり、「どうやって検索順位を上げるか」ではありません。

 

AI検索への対策として、今すぐやるべきことはありますか?

AIが参照元として選ぶのは、「信頼できる一次情報を持つサイト」です。今すぐできることは、自社サイトに他社にはない独自の見解を載せることです。業界の一般論を書き写すのではなく、「自社ではこう考える」「この場合はこちらを推奨する」という判断基準を明示してください。また、施工事例の写真には必ず説明文を添え、FAQページには構造化データを実装することで、AIに情報を正確に伝えやすくなります。

 

ホームページからの問い合わせがほとんどないのですが、どこから手をつければいいですか?

まずは、現在のサイトに「判断材料」があるかをチェックしてください。会社概要、サービス紹介、料金表。これだけでは、顧客は「この会社に頼んで大丈夫か」を判断できません。施工事例、よくある質問、選ばれる理由。これらを充実させることで、問い合わせの質と量が変わります。

 

SEO会社に依頼するのとWeb制作会社に依頼するのは何が違いますか?

SEO会社は検索順位の改善を目的とし、記事量産や被リンク獲得を提案することが多いです。一方、Web制作会社(私たちのような)は、サイト全体の設計と運用を通じて、事業成果への貢献を目的とします。検索順位は成果の一指標であり、目的そのものではありません。

 

ウチの強みはWebでどう伝わるのか?

 

もしこの記事を読んで、「自社の場合はどうなのか」と思われたなら、ぜひ一度お話しさせてください。

 

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参照・出典一覧

 

本記事の作成にあたり、以下の情報を参照しました。

 

 

 

この記事を書いた人

 

嶺 利久

Webコンサルタント/グロースパートナー

Webマーケティング歴15年。中小企業を中心に300社以上のWebサイト制作・マーケティング支援に従事。「ローカル企業をGROWTHする」をモットーに、地域企業のSEOやコンテンツマーケティング戦略を得意とする。自身のブログ運営でSEOを学び、多くの顧客サイトを検索上位に導いた実績を持つ。Webを起点とした戦略支援とブランディングを通じ、顧客のビジネス成長に貢献している。

 

 

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