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経営課題

2026.2.07ホームページ更新のネタが出なくて書けない本当の理由|Web担当者が悪いのではない

 

書けない原因はあなたの能力ではなく、情報が届く仕組みの不在です。

 

株式会社イノーバの調査によると、中小企業のホームページ更新を担当している方のうち、約6割が「不定期」にしか更新できていないとされています。また情報としては少し古いですが、中小企業庁「小規模企業白書2016年」のホームページ更新頻度に関するデータでは。月に1回以上更新している企業は全体の約3割にとどまります。この数字だけ見ると、多くの企業が更新に苦しんでいることは明らかです。

 

しかし、300社以上のWebサイト運営を支援してきた経験からお伝えすると、更新が止まる原因のほとんどは「書く力がないこと」ではありません。総務や経理との兼任で、現場の一次情報を持たない担当者がパソコンの前で一人で唸っている。この構造そのものが問題です。

 

あなたの頭の中に、顧客が知りたい答えはそもそも存在しません。答えを持っているのは、社長であり、営業担当であり、現場のスタッフです。書く力を磨くことよりも先に、社内の情報をどう集めて、どう記事にするかという仕組みを整えることの方が、はるかに成果につながります。

なぜ、あなたは「書くことがない」のか

 

担当者が書けないのは、情報の非対称性という構造的な理由があります。

 

ホームページを訪れる人が知りたいのは、御社の専門知識であり、現場での判断基準であり、経営者の考え方です。施工現場で何を大切にしているのか。お客様からどんな質問をよく受けるのか。なぜその工法を選んだのか。こうした一次情報は、経営者や現場スタッフの頭の中にあります。

 

一方、Web担当者の多くはバックオフィスに座っています。お客様との会話に立ち会う機会も限られ、現場に足を運ぶこともほとんどありません。

 

東京商工会議所の「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」(2025年1月)でも、中小企業のデジタル推進における課題として「社員は通常業務が忙しく、デジタルシフトへの活動に専任できない」という声が報告されています。

 

社員は通常業務が忙しく、デジタルシフトへの活動に専任できないため、進むスピードが遅くなりがちである。その部分だけアウトソーシング出来るような企業となかなか巡り合わない。自社開発となると多額の費用が掛かるので、コスト負担が難しい(建設業、51~100人)

 

引用元:東京商工会議所「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査 11.企業の声 【デジタルシフト・DXの具体的な取り】 人材面」 より

 

つまり、担当者が一人でパソコンに向かって「何か良いネタはないかな」と考える行為そのものが、構造的に成果を出しにくい状態です。これでは答えのない場所で答えを探しているようなもの。社長に「もっと面白い記事を書いて」と言われても、面白い情報を持っていないのだから書けなくて当然です。まずは、この前提を認めることから始めてみてください。

 

 

ホームページを更新しないと、何が起きるのか

 

放置されたホームページは、会社の信頼を静かに削っています。

 

株式会社プラストが実施した「ホームページの重要性に関する調査」によれば、更新されていないホームページを見た人の約半数(49.8%)が「営業しているか不安になる」と回答しています。さらに、35.3%が「載っている情報が正しいのか不安になる」、32.6%が「取引や付き合いをしようと思わない」と答えています。

 

この数字が意味することは明確です。ホームページが古いまま放置されていると、そこを見た取引先候補や求職者が、連絡する前に離れてしまっているということです。営業担当がどれだけ良い提案を持っていても、先方が事前にホームページを見て「この会社、大丈夫かな」と感じてしまえば、商談のテーブルにすら着けません。

 

ある建設会社では、最後のお知らせ更新が2年前のままでした。社長は「うちは口コミで仕事が来るから」と言っていましたが、紹介元が「うちの知り合いの会社なんだけど」と先方に伝えたとき、先方はまずホームページを見ます。そこで古い情報を目にした瞬間、せっかくの紹介も台無しになりかねません。

 

ホームページの更新は、新規の集客だけの問題ではありません。すでに信頼関係がある取引先や、紹介を受けた見込み客に対しても、会社の「現在地」を正しく伝えるための手段なのです。

 

 

「ネタ出し」をやめて「社内取材」を始める

 

書くスキルを磨くよりも、社内の情報を吸い上げるスキルの方がはるかに成果につながります。

 

Web担当者が一人でパソコンに向かって「何を書こうか」と考える行為を、ここでは「ネタ出し」と呼びます。一方、社長や現場スタッフに話を聞きに行く行為を「社内取材」と呼びます。この二つは似ているようで、まるで違います。

 

ネタ出しは、自分の知識の範囲内で考えるため、すぐに枯渇します。業界ニュースを引用するか、季節の挨拶を書くか、イベント告知をするか。どれも「読者が知りたいこと」とはずれています。

 

社内取材は、社長や営業担当が持っている一次情報を引き出す作業です。具体的には、次のような方法があります。

 

社長の雑談を5分だけ聞く

 

社長に「最近、印象に残った仕事はありますか」と聞いてみてください。あるいは、「お客様に言われてうれしかったことは」でもかまいません。かしこまったインタビューではなく、雑談の延長で構いません。

 

感情が動いた話には、必ずその会社ならではのエピソードが含まれています。それをメモして、300文字でも400文字でもまとめれば、立派なコラムになります。

 

営業担当の日報や商談メモを覗く

 

営業担当がお客様から受ける質問やクレーム、感謝の言葉。これらは、そのまま「よくある質問」の記事になります。

 

「こういう質問が多いんですが、うちではこう対応しています」という形でまとめれば、同じ疑問を持つ見込み客の不安を事前に解消できます。

 

現場の写真を1枚もらう

 

文章で技術力を説明しようとすると、どうしても専門用語が並びがちです。しかし、職人の手元や、完成した現場の写真1枚の方が、技術力を雄弁に伝えます。

 

施工前と施工後の写真を並べるだけで、説得力のあるページが完成します。

 

方法所要時間難易度得られるネタ
社長への5分雑談5〜10分低い会社の想い・方針
営業日報の確認10〜15分低いお客様のリアルな声
現場写真の収集依頼のみ最も低い技術力の証明

 

担当者の仕事は「書くこと」ではありません。「社内の情報を集めて、届く形に整えること」です。この発想の転換ができれば、ネタ切れという悩みはほぼ解消します。

 

 

それでも社内の協力が得られないとき

 

ここまで読んで「理屈はわかるけど、うちの社長は忙しくて話を聞けない」と感じた方もいるかもしれません。お気持ちはとてもよくわかります。

 

「忙しいから後で」と言われ続けて、結局ネタが集まらない。これがWeb担当者の最大の壁です。ペライチが2024年7月に実施したホームページ運用課題の調査でも、「わずかな変更箇所であっても、対応に日数を要する」という回答が34.7%で最多となっています。担当者だけの問題ではなく、社内の協力体制がなければ運用は回らないのです。

 

ここで一つ、現場で何度も目にしてきた事実をお伝えします。社内の人間が聞くと、社長や現場スタッフはなかなか話してくれません。「後でいいよ」「別にうちは普通だから」と流されがちです。しかし、外部の第三者がインタビュアーとして入ると、驚くほど話してくれます。

 

理由は単純です。身内に自分の仕事の話を改まってするのは気恥ずかしいけれど、外部の人に「御社の強みを教えてください」と聞かれると、真剣に答えようとする。これは人間の自然な心理です。

 

私たちアールがWeb運用をお手伝いしているケースでは、担当者の方の仕事は「日程調整」だけということも珍しくありません。社長や現場スタッフへのインタビューやお客様の声取材から、記事の構成、執筆、公開までを外部のプロが一貫して行います。担当者が一人で抱え込む必要はありません。

 

 

外部委託が向かないケースもある

 

しかしこれら外部委託は、すべての企業に最適なわけではありません。

 

たとえば、すでに社内に専門のライターやマーケティング担当者がいる場合。あるいは、社長自身がブログを書くことを楽しんでいて、定期的に発信できている場合。こうした企業は、無理に外部リソースを使う必要はありません。

 

また、「とりあえず安く、何でもいいから更新しておきたい」というだけの目的であれば、テンプレート型のサービスの方がコストを抑えられます。私たちの支援は、社長や現場の想い・強みを丁寧に取材して、その会社ならではのコンテンツを作ることに重きを置いています。

 

外部に任せるべきか、社内で仕組みを整えるべきかは、会社の状況によって変わります。判断材料を整理すると、次のようになります。

 

判断軸社内取材の仕組み化外部委託
担当者の稼働時間月5〜10時間確保できる月2時間程度(日程調整のみ)
社長の協力月1回、15分程度の雑談が可能月1回、30分のインタビューに対応
コスト人件費のみ月額数万円〜
向いているケース担当者に編集意欲がある担当者が他業務と完全兼任

 

どちらが正解ということではありません。大切なのは、「担当者が一人で全部やる」という状態から抜け出すことです。

 

 

Web担当者の本来の仕事は「書くこと」ではない

 

記事を書く作業に追われて、本来の仕事がおろそかになっていませんか。

 

Web担当者に求められている役割は、実は「ライター」ではありません。ホームページを通じて会社の売上や採用にどう貢献するか。その戦略を考え、社内を動かし、結果を見ながら改善していく。これが本来のWeb担当者の仕事です。

 

記事の執筆という作業に時間を取られていると、アクセス解析を見る時間も、競合サイトを研究する時間も、新しい施策を提案する時間もなくなります。作業を手放して管理に回ることで、担当者の社内での価値はむしろ上がります。

 

ホームページは、営業担当が毎回行っている説明を肩代わりしてくれる存在です。「うちの会社って何をやっているの」「他社と何が違うの」「費用はどのくらいなの」。こうした質問に対する答えがホームページに載っていれば、営業担当は説明の時間を省いて、もっと踏み込んだ提案に集中できます。

 

広告は出稿を止めれば効果もゼロになりますが、ホームページに蓄積されたコンテンツは、一度作れば24時間365日働き続ける資産です。その資産を、担当者一人の力量に頼り切っている状態は、経営としてもリスクがあります。

 

 

まとめ。ネタは現場に眠っています

 

「何を書けばいいか分からない」という悩みの原因は、あなたの能力ではなく、情報が届く仕組みがなかったことにあります。

 

まず、社長に「最近、お客様に一番感謝された仕事はどれですか」と聞いてみてください。営業担当に「今月、一番多かった質問は何ですか」と聞いてみてください。現場スタッフに「今、スマホに入っている仕事の写真を1枚見せてもらえますか」とお願いしてみてください。

 

この三つの問いかけだけで、少なくとも3本分の記事ネタが手に入ります。

 

それでも「聞く時間が取れない」「社内の協力が難しい」と感じたなら、外部の力を借りるのも一つの方法です。社内取材のプロに任せることで、担当者は日程調整だけで済み、本来のマネジメント業務に集中できるようになります。

 

放置し続ければ、ホームページは「営業しているか不安になる会社」という印象を与え続けます。逆に、月に1本でも現場の声を反映した記事を公開し続ければ、ホームページは会社の信頼を積み上げる資産へ変わります。

 

最初の一歩は小さくて構いません。明日、社長に一つだけ質問を投げかけてみてください。

 

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よくある質問と回答

 

ホームページの更新は、どのくらいの頻度が必要ですか?

 

理想は月に2〜4回ですが、まずは月1回を目標にしてください。中小企業庁の調査でも、月1回以上更新している企業は全体の上位30%に入ります。完璧を目指すよりも、現場の声を一つ拾って形にすることを続ける方が成果につながります。

 

社長が忙しくてインタビューの時間が取れません。どうすればいいですか?

 

かしこまったインタビューは不要です。朝礼後の5分、移動中の車内、昼食時の雑談。「最近、印象に残った仕事はありますか」と一言聞くだけで十分です。録音する場合は許可を取ってから行いましょう。

 

外部にコンテンツ制作を依頼した場合、費用はどのくらいかかりますか?

 

記事の作成だけであれば1本あたり3〜10万円が相場です。取材・企画・月次運用まで含めた継続支援の場合は、月額10〜30万円程度になります。担当者が毎月10時間以上を更新作業に費やしている場合、その人件費と比較して判断するのが現実的です。

 

日記のような記事でも意味はありますか?

 

日記そのものに集客効果は期待できません。しかし、日記の中に「お客様のこんな相談に対応した」「こんな工夫をした」という一次情報が含まれていれば、価値のある記事に変わります。書き方を変えるのではなく、書く内容の選び方を変えることが大切です。

 

 

参照・出典一覧

 

 

 

この記事を書いた人

 

嶺 利久

Webコンサルタント(グロースパートナー)

Webマーケティング歴15年。中小企業を中心に300社以上のWebサイト制作・マーケティング支援に従事しています。「ローカル企業をGROWTHする」をモットーに、地域企業のSEOやコンテンツマーケティング戦略を得意としています。自身のブログ運営でSEOを学び、多くの顧客サイトを検索上位に導いた実績を持っています。Webを起点とした戦略支援とブランディングを通じ、顧客のビジネス成長に貢献しています。

 

 

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